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「せかいいちおいしいスープ」あらすじと感想

『せかいいちおいしいスープ』は4月21日の誕生絵本です。

表紙を見た瞬間から、想像力が掻き立てられますよね。

いったいどんなスープが「せかいいちおいしい」んでしょう?

そして、どんな物語が私たちを待っているのでしょうか?

 

絵のタッチも優しくて、見ているだけで心がほっこりします。

作・マーシャ・ブラウン
訳・こみやゆう

岩波書店

2010年⁡

あらすじ

お腹を空かした3人の兵隊たちがある村にたどり着きました。

彼らは村人たちに食べ物を分けてほしいと頼みましたが、誰も分け与えてはくれません。

そこで、兵隊たちは石をゆでて「石のスープ」を作ると高らかに宣言しました。

最初は不思議そうに見ていた村人たちも、兵隊たちの巧みな言葉に乗せられ、少しずつ自分の持っている野菜や調味料を持ち寄り始めます。

 

「うちのジャガイモを入れたらもっとおいしくなるぞ!」🥔
「隠し味に、このハーブを少しだけ…🌿」

最終的にはいったいどんな味のスープになったんでしょうか?

感想

このお話、読めば読むほど、「ああ、これって今の私たちにもすごく大事なことだなぁ」って思わされます。

最初、村人たちは兵隊たちの訴えに「自分のことで精一杯」「知らない人はちょっと怖い」「余裕がない」と思っていて、心のシャッターを下ろしていました。

 

でも、兵隊たちの“ユーモア”と“アイデア”が、ちょっぴりその心を開いてくれて…

最初は冷たかった村人たちの心が、スープ作りを通して温まっていく様子が感動的。

 

実際の生活の中でも、こんな風に「誰かが何かを始めること」で、人との距離がふっと近づくことってある気がしませんか?

何かを“分け合う”って、物だけじゃなくて、 気持ち、優しさ、アイデア、そして時間も、全部含まれていると思うのです。

そして、出来上がったスープは、みんなで分かち合うことで、本当に「せかいいちおいしいスープ」になるんですね。

このシンプルなお話の中に分かち合うことの大切さや、人と人との繋がりが生み出す温かさが詰まっていると感じました。

 

読み終えたあとは、「私も何かできること、差し出してみようかな」って気持ちに自然となれる。

そんな魔法のような絵本です。

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