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「こんや、妖怪がやってくる」あらすじと感想

『こんや、妖怪がやってくる』は4月22日の誕生絵本です。

ぱっと見たタイトルから、どこかドキドキする雰囲気が伝わってきます。

 

でも、勇気や知恵、そして助け合いの大切さがギュッと詰まった素敵な民話なのです。

絵もどこか幻想的で、ページをめくるたびに物語の世界へグッと引き込まれるんです。

 

読めば読むほど、じわ〜っと心が温まる、不思議で愉快な民話絵本なんです。

文・君島久子
絵・小野かおる岩波書店

2014年⁡

あらすじ

ある夜、おばあさんが泣いています。
「今夜恐ろしい妖怪がやってくる」と・・・。

そこへ現れたのは、たまご、ぞうきん、かえる、こん棒、火ばさみ、牛のふん、石のローラーという、一見なんの関係もなさそうな仲間たち。

「きっと助けてあげるから」と、おばあさんを救うために、力を合わせることに。

 

一見バラバラで意外性のあるメンバーですが、みんなで力を合わせておばあさんを助けることに!

 

このお話は、中国のトウ族に伝わる民話をもとにした作品です。

どこか懐かしくて、昔ながらの知恵とユーモアがたっぷり詰まっています。

感想

この絵本を読んで、私が感じたのは、「絶対に一人じゃないんだ」ってこと。

おばあさんが困っているとき、一見頼りなさそうな、普通の物 動物たちが「助けたい!」っていう純粋な気持ちで集まってくる。

 

そこには見返りとか、損得勘定なんてないんですよね。

ただ、誰かのために何かをしたいっていう、その気持ちが本当に美しい。

 

私たちも日々の生活の中で、困ること ってありますよね。

一人で抱え込んで、心細くなっちゃうこと、きっと誰にでもあると思います。

でも、この絵本を読むと、「大丈夫だよ、周りにはきっと温かい心がたくさんあるんだよ」って、優しく語りかけてくれるような気がするんです。

 

もしかしたら、助けてくれるのはスーパーヒーローみたいなすごい人じゃなくて、すぐ そばにいる) 、ちょっと頼りないけど一生懸命な友達だったりだったりするのかもしれませんね。

この絵本は、子供たちに勇気と希望)を与えるだけでなく、大人になった私たちの心にも、忘れかけていた大切な気持ちを思い出させてくれるような、そんな力を持っていると思います。

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