「せかいでいちばんつよい国」あらすじと感想
『せかいでいちばんつよい国』は4月25日の誕生絵本です
力だけでは解決できない問題があることをやさしく教えてくれる、そんな深いメッセージが込められています
作・デビッド・マッキー
訳・なかがわちひろ
光村教育図書
2005年
あらすじ
強くて、お金もあって兵隊もたくさんいる「大きな国」の大統領は、 「このやり方こそが正しい!」と信じて、どんどん他の国を征服していきます。
ところが、侵略された国の人々は闘うどころか… 武器も持たずに、おだやかに、そして静かに暮らしを守ろうとします。
大統領は困惑し、そして次第に心が揺らいでいきます。
武力では決して幸せは手に入らないことをひしひしと教えてくれる、平和について考えさせられる絵本です。
感想
この物語を読み終えたとき、「本当に強い国とは何なのか?」という問いが自然と心に浮かびます。
「大きな国」の大統領の目に映る「強さ」とは、武力による支配でしたが、物語が進むにつれてその考えが揺らぎます。
そして、この「大きな国」が現実にもあることに、なんだか心が痛みます。
力のある者が、力を使ってすべてを正そうとするとき、 本当に「幸せ」はそこにあるのか?
この絵本が教えてくれるのは「思いやり」や「協力」の力の偉大さです
武力に頼るのではなく、対話や理解を通じて平和を築く道を選ぶことの大切さがしっかりと胸に刻まれます。
「平和」って、遠くの国の話じゃなくて、日常の中のちいさな選択――誰かに怒鳴らない、話をちゃんと聞く、自分と違う考えを受け入れること
そんなところからはじまるのかもしれません。