「ころべばいいのに」あらすじと感想
『ころべばいいのに』は6月25日の誕生絵本です
みなさん、「いやな気分」ってどうしてますか?
無理やり笑ってごまかす? だまって我慢する?
それとも…思いきって泣いちゃう?
今日の誕生絵本『ころべばいいのに』には、そんな「いやな気分」との向き合い方が、くすっと笑えるユーモアと一緒に描かれています
作・ヨシタケシンスケ
ブロンズ新社
2019年
あらすじ
「意地悪してくる人も、嫌なことを言ってくる人もみんな石につまずいて転べばいいのに。」
そんなふうに思っちゃう、小学生くらいの女の子が主人公
ちょっとイライラしたり、もやもやしたり、心の中がざわざわすることって、日常にたくさんありますよね。
「なんでこんな気持ちになるんだろう?」
「誰かに話しても、うまく伝わらないかも…」
こんなことを考えながら、自分がさ女の子はだんだん「いやな気分」について向き合い始めます
感情に名前をつけたり、仕分けしてみたり、どうしたらいいかを考えてみたり…
ページをめくるたびに、女の子の心の中を一緒に旅しているような気持ちになるのです
感想
「ポジティブでいよう!」ってよく言われるけど、正直、毎日ニコニコなんて無理〜
誰かに意地悪されたり、思い通りにいかなかったりすると、心がチクチクして、つい誰かをうらやんだり、傷つけたくなったり…。
そんなときにこの絵本を読むと、「こんなふうに思っちゃってもいいんだ」「いやな気持ちも、自分の一部なんだ」って、ふっと気持ちがゆるむんです
「転べばいいのに」って思うくらいムカつく相手もいるけれど(笑)
その気持ちを否定するんじゃなくて、「そうか、私は今、こんな風に感じているんだな」って、まずは自分の感情を受け止めてあげること
それが、自分を大切にすることの第一歩なんですよね。
ヨシタケさんのユーモアの中には、ものすごく優しいまなざしがあって、
“いやな気分”を抱えている自分を責めずに、ちょっと抱きしめてみようかなって思わせてくれます
「なんだ、私だけじゃないんだ」
子どもだけでなく、大人の私たちにも「心の取扱説明書」になるような一冊です