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「あおのじかん」あらすじと感想

『あおのじかん』は6月28日の誕生絵本です

 

みなさん、青ってどんな色だと思いますか? 

晴れわたる昼間の空、夕暮れどきのグラデーション、夜が近づくときの深い青…。どれも「青」なのに、まるで別の表情をしていますよね

 

本をめくるたび、青のグラデーションに心が溶けていくよう。

水色から群青、そして濃紺へと移ろう夕暮れの空は、ページいっぱいに広がって、息をのむような静けさを運んできます。 絵本というより、まるで一枚のアートの世界に迷い込んだみたい。

 

夜へと向かう時間の移ろいを「青」という色を通して描いた、とっても幻想的な作品です

作・イザベル・シムレール
訳・石津ちひろ

岩波書店

2016年⁡⁡

あらすじ

 

夜になるにつれて、空の青色が水色から濃紺へどんどん変化していきます。

 

そんな空の下では、アオカケスやコバルトヤドクガエル、シロナガスクジラなど、さまざまな「青い生き物たち」が夜を待っています。

彼らは夜の訪れとともに、まるで空と呼応するように、静かに、でも力強く存在を放ちます🦋

 

そして訪れる、「あおのじかん」

それは、日が沈み、夜と昼の境目がほんのりと交わる、美しい青のひととき。

どこか懐かしくて、胸がきゅっとなるような、そんな時間です。

感想

 

この絵本を読んで一番心に残ったのは、日々の忙しさの中で忘れがちな「時間の流れ」を、改めて感じさせてくれるところです。

私たちは、毎日時間に追われて、あっという間に一日が終わってしまうことが多いですよね。「早くしなきゃ!」「次は何をしよう?」って、常に先を急いでいる気がします。

 

でも、『あおのじかん』は、そんな私たちに「ちょっと立ち止まって、空を見上げてごらん?」と優しく語りかけてくれるよう。

空の色がゆっくりと変わっていく様子、生き物たちが静かに夜を迎える準備をしている姿を見ていると、心の中にゆとりが生まれてくるんです。

 

日常の中で、つい見過ごしてしまいがちな「当たり前の時間」の中に、こんなにも美しい瞬間が隠されているんだなって、ハッとさせられました。

子育て中のママさんたちも、お子さんと一緒にこの絵本を読みながら、ふと窓の外の空を眺めてみてほしいなと思います。

もしかしたら、今まで気づかなかった「青」のグラデーションや、時間の移ろいを感じられるかもしれませんよ。

 

絵本の世界に浸ることで、時間に追われる毎日から少しだけ解放されて、心に静けさをもたらしてくれる。そんな癒しの効果がある絵本だと感じました。

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