「どんぐりと山ねこ」あらすじと感想
『どんぐりと山ねこ』は7月12日の誕生絵本です
表紙には、どこかとぼけた表情の山ねこが描かれていて、ページをめくるたびに、幻想的でちょっぴりユーモラスな世界が広がります
宮沢賢治さんの描く世界って、子どもだけじゃなく、大人の心にもじんわり染み込んでくるんです。
「なんだかよくわからないけど、心に残る」そんな余韻が、この絵本にはたっぷり詰まっています
文・宮沢賢治
絵・徳田秀雄
講談社
1985年
あらすじ
ある秋の土曜日、一郎少年のところに下手くそな字で間違いだらけのはがきが届きました。
その内容は「厄介な裁判に出席してくれ」ということで、なんと差出人は山猫からでした。
翌日、一郎少年は山猫に会いに行きますが、その途中でいろんな人と出会っていきます。
山猫が開こうとしていたのは、どんぐりたちの「誰が一番偉いか」を決める裁判。
でも、どんぐりたちはみんな自分が一番だと主張して、収拾がつかない状態に
そこで一郎少年がぽつりとつぶやいた一言が、裁判を思わぬ方向へ導いていきます…。
幻想的な風景と、ちょっぴり皮肉の効いたユーモア。 そして、子どもらしい純粋さと賢さが光る一冊です
感想
この絵本を読んで感じたのは、「自分が一番」って思いたくなる気持ち、誰にでもあるよねってこと。
でも、それを手放して、誰かの言葉に耳を傾けたり、違う視点を受け入れたりすることで、世界がふっとやわらかくなる瞬間があるんだなぁって思いました
一郎くんのように、まっすぐで、でもちょっとユーモアのある視点を持てたら、日常のモヤモヤも少し軽くなるかもしれません
そして、どんぐりたちのように「比べること」に夢中になってしまうと、大切なことを見失ってしまう。 そんなメッセージも、そっと教えてくれている気がします