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「うちに帰りたくないときによむ本」あらすじと感想

『うちに帰りたくないときによむ本』は7月25日の誕生絵本です

 

「あー、今日はなんだか家に帰りたくないな…」って、大人になった今でもふと感じること、ありませんか?

 

子どもの頃はもっと純粋に、そういう気持ちが湧き上がってきたものです。

遊び足りないから帰りたくない、とか、ちょっと嫌なことがあったから帰りたくない、とか。

 

そんな繊細な子どもの気持ちにそっと寄り添ってくれるような、とっても素敵な絵本なんです

文・川崎二三彦
絵・北原明日香

少年写真新聞社

2019年⁡⁡

あらすじ

「ぼく」はうちに帰りたくない。

そして乱暴な「あいつ」も家に帰りたくないみたい。

 

公園のすみっこ、2人の少年が偶然出会います。

 

この「ぼく」と「あいつ」、最初はお互いに反発し合ってばかり。

でも、一緒に時間を過ごすうちに、少しずつ、ほんの少しずつ、お互いの存在が気になり始めます。

 

性格も背景もまったく違うけれど、 「帰りたくない」って気持ちだけは、なぜか通じ合っている。

 

そして、ギクシャクしながらも、次第に心のうちを打ち明けられるようになっていくんです。

感想

 

子どもたちが「家に帰りたくない」と言うとき、それは単に遊びたいからだけではないかもしれません。

何か不安なことや、悲しいこと、もしかしたら怒っていることだってあるかもしれない。

 

でも、言葉にするのが難しかったり、どう伝えたらいいか分からなかったりするんですよね。

 

この絵本は、そんな子どもたちの「帰りたくない」という気持ちを、決して否定せずに、むしろ「それでいいんだよ」と優しく包み込んでくれます。

 

そして、主人公の「ぼく」と「あいつ」の関係性を通して、私たちに教えてくれるのは、人は一人じゃないということ。

 

たとえ最初はぶつかり合ったとしても、心を開いて向き合えば、きっと分かり合える人がいる。

自分の抱えている感情を打ち明けることで、共感してくれる人がいる。

 

そうやって、誰かと気持ちを分かち合うことって、本当に心を軽くしてくれるんだなと改めて感じました。

 

 

子育て中のママさんたちにも、ぜひ読んでほしい一冊です。

お子さんが「帰りたくない」と言ったとき、この絵本を一緒に読んでみてください

きっと、お子さんの心の奥にある本当の気持ちに気づくヒントになったり、どう寄り添ってあげたらいいかの道しるべになってくれるはずです。

 

そして、私たち大人自身も、たまには「あー、帰りたくないな」って素直に思ってもいいんだよって、この絵本がそっと背中を押してくれるような気がします

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