「あいさつってたのしい」あらすじと感想
『おおきなもののすきなおうさま』は8月16日の誕生絵本です
今日、8月16日にご紹介するのは、ちょっぴりユーモラスで、でもじんわりと心に残るお話です。
タイトルを聞いただけで、なんだか王さまのちょっとわがままで、でも憎めない姿が目に浮かびませんか?
暑い夏の日にぴったりの、くすっと笑えてちょっと考えさせられる一冊なんです
作・安野光雅
講談社
1976年
あらすじ
昔、あるところに大きなものが、とても好きな王さまがいました。
家来たちに命じて、つぎつぎと大きなものを作らせますが……。
お城の門も、大広間の椅子も、王さまのためにどんどん巨大化!
けれど、どんなに大きなものを作っても、王さまの「もっと大きなものがほしい!」という気持ちは止まりません。
やがて、王さまは「国で一番大きな○○」や「世界で一番大きな△△」まで作らせることに…。
でも、大きさを求めすぎた結果、王さまはある“意外なこと”に気づきます。
感想
王さまは、大きなものを手に入れるたびに、もっともっと!と欲しくなります。
でも、本当に欲しかったものは、もしかしたら「大きなもの」そのものではなかったのかもしれない。
私たちが「これがほしい!」「あれもしたい!」って思う気持ちと、この王さまの気持ちって、なんだかとっても似てると思いませんか?
新しい洋服を買っても、次の日にはまた新しいものがほしくなったり、SNSでキラキラした人を見て、「私もああなりたいな」って思ったり……。
でも、本当に大切なものって、もしかしたらもうすでに自分の手の届くところにあるのかもしれない。
毎日ごはんを食べられること、大好きな人がそばにいてくれること、きれいな空を見上げられること……。
この絵本は、そんな当たり前の幸せに気づかせてくれる、大切なメッセージを秘めているんです。
欲張る気持ちも否定しないけれど、「本当に大切なものは何?」って、そっと問いかけてくれる。そんなやさしい絵本です。
子どもと読むときは、王さまの気持ちになって「どんな大きなものがほしい?」って聞いてみたり、逆に「一番小さくて、大切なものは何?」って聞いてみるのも楽しいかもしれませんね