「火の鳥」あらすじと感想
「火の鳥」は1月30日の誕生絵本です。
「火の鳥」とは鳳凰のことでもあり、火をまとう神秘的なイメージ。
手塚治虫の「火の鳥」も有名ですね。
この絵本はそんな火の鳥をめぐる勇気と希望の物語です。
文・斎藤隆介
絵・滝平二郎
岩崎書店
1982年
あらすじ
物語の舞台は、自然豊かな小さな村。
その村では、火の鳥が目撃されると飢饉が起こるという言い伝えがあり、人々はその存在を恐れてきました。
しかし、主人公の12歳の少女「あさ」は、火の鳥を退治するためにたった一人で山に登ることを決意します。
持っているのは、母親の形見であるかんざし一本だけ。
あさの心に秘められた決意と愛が、この小さな道具に込められています。
果たして、あさは火の鳥に立ち向かい、村を救うことができるのでしょうか?
感想
この絵本を読んで感じたのは、「本当の強さって何だろう?」ということでした。
あさの行動は、ただの勇気だけではなく、大切なものを守りたいという深い愛情に支えられています。
その気持ちが、彼女の小さな体に大きな力を与えたんだと思うんで。
私たちも、日々の中でつい忘れてしまう「大切なもの」を見つめ直すきっかけになるかもしれません。
困難に立ち向かう勇気を持つことの大切さを、あさの姿から教えられました。
そして、「見えているものが全てではない」ということも見逃してはならないメッセージです。
人々は火の鳥を恐れ、退治しようとしましたが、本当に恐れるべきものは何だったのでしょうか?
表面的な現象に惑わされず、物事の本質を見抜くことの大切さを、この絵本は教えてくれているように思います。
また、あさが母親の形見のかんざしを大切に持っている姿は、物を大切にする心、そして亡くなった人を偲ぶ心を教えてくれます。
現代社会では、物が溢れ、使い捨てが当たり前になっていますが、物を大切にする心、物を長く使うことの価値を、忘れてはいけないですね。