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「ちいさいおうち」あらすじと感想

4月15日の誕生絵本は『ちいさいおうち』です

優しい色使いと、ほっこりとした小さな家のイラストが目を引きます。

ページをめくるたびに変わっていく町の景色、流れていく時間の中で、おうちが見てきたもの。

それはまるで、人生そのものを描いているようです。

作・バージニア・リー・バートン
訳・いしいももこ岩波書店

1954年⁡

『ちいさいおうち』の舞台は、自然がいっぱいの小さな丘です。

ちいさいおうちはその静かな環境でとても幸せに過ごしていました。

春はタンポポ、夏はヒナギク、秋はリンゴ、冬は雪景色と、一年を通して見られる美しい景色が大好きでした。

ところが、次第に町が発展し始め、周囲が騒々しくなっていきます。

ちいさいおうちは、車や電車に囲まれ、排気ガスで汚れ、夜もネオンで明るい町で、疲れ果ててしまいます。

 

やがてちいさいおうちは、自然がいっぱいで静かだったあの丘に戻りたい…と思うようになります。

 

ある日、ちいさいおうちの持ち主の子孫である女性が、ちいさいおうちを見つけ、元の場所に戻してくれました。

 

ちいさいおうちは、再び静かな丘で、美しい景色を眺めながら、今も静かに幸せに暮らしています。

目次

感想

この絵本は、忙しい日常の中で「本当に大切なものは何か」を問いかけてくれる存在です。

都会の便利さや賑やかさも魅力的ですが、自然の中で心穏やかに過ごせることの素晴らしさも改めて感じさせてくれます。

 

私たちは、日々、変化の波に乗り、時にその速さに圧倒されます。

そんな中でも、ちいさいおうちのように環境の変化に揺さぶられながらも、自分にとっての「静かな丘」を見つけて大切にしていきたいものです。

 

その静かな丘とは「心の拠り所」ではないでしょうか。

例えば、心から安心できる家族や友人、お気に入りの場所など・・

 

自分にとっての「静かな丘」に帰ることで、私たちは再び元気を取り戻し、前に進むことができるのです。

 

この絵本を読むことで、子どもたちは変化を受け入れつつ、自己の大切な部分を守ることの重要性を学びます。

そして、大人たちは、日々の忙しさの中で忘れがちな、心の平穏を取り戻すことの大切さを再認識するでしょう。

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