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「なみだでくずれた万里の長城」あらすじと感想

『なみだでくずれた万里の長城』は4月24日の誕生絵本です。

美しくて切ない、そして強さに満ちたこのお話。

読めば読むほど、孟姜女のまっすぐな思いが心にしみてきます。

古代中国に実際に伝わる伝説をベースにしているからこそ、深いメッセージが伝わってくるんです。

文・唐亜明
絵・蔡皋
岩波書店

2012年⁡

あらすじ

子どもがいない夫婦のもとにツバメが運んできたヒョウタンの種。

その種が大きな実をつけ、中から生まれた不思議な少女、孟姜女。

 

やがて成長した孟姜女は、万里の長城の建設現場から逃れてきた若者と結婚することに。

ところが結婚式当日、花婿は現場の役人に連れ戻されてしまいました。

それから待てども待てども帰って来ない夫を探しに、娘は万里の長城へと旅に出ます。

長旅を経てたどり着いた万里の長城で、夫は作業中亡くなったと告げられるのです。

娘は泣き崩れ、泣き続けて気を失ってしまいます。

 

そのとき、大地が揺れ、万里の長城が数十里にわたって崩れ落ちました・・・

感想

『なみだでくずれた万里の長城』は、愛する人を失う悲しみや、理不尽な状況に置かれた人々の苦しみを教えてくれます。

孟姜女のひたむきな愛と、長城が崩れるという奇跡は、人間の強い感情が、時には想像を超える力を生み出すことを示唆しているのかもしれません。

 

この絵本を読むと、今、私たちが当たり前に過ごしている日常が、どれほど恵まれているのかを改めて考えさせられます。
そして、世界には、今もなお、苦しい状況の中で生きている人々がいるということを、忘れてはいけないと感じます。

絵本は、ただ楽しむだけでなく、私たちに大切なことを教えてくれる、かけがえのない存在です。

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